天然鉱物由来の紫系顔料
スギライトは和名を「杉石」と云います。
九州大学の岩石学者・杉健一が、1942~1943年にかけて行った愛媛県の瀬戸内海の岩城島、閃長岩(せんちょうがん)の調査中に発見します。当時は分析不足から新種の鉱物とは断定できず、岩城石(Iwakilite)という名称で分析が続けられることになります。
その後、山口大学の村上允英氏によって化学組成が明らかにされ、国際新鉱物命名委員会に新鉱物として申請し1977年に正式に新鉱物として認定されます。名称は村上允英の師である杉健一に因み「スギライト」と命名されました。
スギライトは珪酸塩鉱物の一種で、大隅石グループの鉱物です。紫色はマンガンに由来し、色調はアルミや鉄の含有量の変化でピンクから紫系に変化します。なかでもとりわけ濃い紫色は宝石として珍重され、Royal Azel(皇帝の紫)という別名で呼ばれています。
本品は宝石クラスの原石を用いて、丹念に不純物除去を施した、高純度の精製スギライト顔料です。化学組成的にも耐候性が高く、堅牢性に優れた顔料と云えます。
天然鉱物由来の紫系顔料なかでは、ひときわ存在感が強く、上品な色調に仕上がりました。
なお、粒度分級により3段階色調に整えました。本品は柔らかい色調の中間色である、中目となります。
お好みのメディウムを加えて、日本画、水彩、テンペラなどでご使用下さい。
商品情報 | |
組成 | ケイ酸塩鉱物 (K,Na)Na,H2O)2(Fe3+,Ca,Na,Ti,Fe,Mn)2(Al,Fe3+)Li2Si12O30 |
粒度 | 30μ(岩絵具9~10番程度) |
容量 | 8g ガラス瓶入り |
使用法 | 膠・アラビアガム・油などの絵画用メディウムで溶いて使います。 |
注意事項 |
お使いのモニター環境等によって、画面上と実際の色とは多少異なってしまいます。この点をあらかじめご了承の上、参考程度にご覧下さい。 絵画材料以外での用途には使用しないで下さい。 人体に使用しないで下さい。 目・口・鼻に入らないようにして下さい。 使用時は防護具を着用して下さい。 使用後は手をよく洗って下さい。 お子様や扱いに不慣れな方の手の届かない所に保管して下さい。 |
<色について>
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